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RDS for Oracleの運用検討中の人注目! RDSにEnterpriseManagerで接続
投稿日:2014/9/8

手順は大変シンプルでOptionGroupsの設定を追加し、RDSインスタンスの設定変更をすることで接続可能になります。 OEMはRDS for Oracleで追加費用なしで使用可能です。
エディションは Enterprise Edition、 Standard Edition、Standard Edition Oneでライセンス込み型でもBYOL型でも利用可能です。
Oracle Enterprise Manager Database Controlとは
Oracle Databaseの運用管理をGUIで実行できるツールです。 概要は以下を参照してください。Oracle Enterprise Manager Database Controlの概要
http://docs.oracle.com/cd/E16338_01/server.112/b56320/em_manage.htm#BABCGBJF
検証で使用する環境と実施する内容
検証で使用する環境を紹介します。
AWS上にRDS(Oracle 11gR2)を一つ作成し、検証環境上のOracle Client 11gR2が導入されている端末からブラウザでログインします。

① OptionGroup作成
② RDSインスタンスのOptionGroup変更
③ 接続確認
以下に設定例を記載します。
制約事項
RDSインスタンスクラスの db.t1.micro は、デフォルトオプショングループにしか属することができないため、OEMを追加したオプショングループに所属するためには、db.t1.microよりもスケールアップしたRDSインスタンスを起動する必要があります。(db.t1.microでオプショングループを変更しようとすると例として以下のエラーが出力されます。)db.t1.micro instances can only be members of the default option group. (Service: AmazonRDS; Status Code: 400; Error Code: InvalidParameterCombination; Request ID: ea1a5db6-1ad5-11e4-839f-d910ddffed6e)
図2:オプショングループ変更時のエラー

①OptionGroup作成
(1)OptionGroup新規作成
AWSマネージメントコンソール > RDS > 左ペインのナビゲーションリンク > Option Groups
Create Groupを押します。

今回は例として以下のように設定し、「Yes,Create」を押します。
Name:oracle-se1-11-2-EM
Description:option group for oracle-se1 11.2 with EM
Engine:oracle-se1
Major Engine Version:11.2

作成されたOption Group には Optionsに何も表示されていません。
OEMオプションを追加するため、作成されたOption Groupを選択し、「Add Option」を押します。

OEMオプションを追加するため、以下のように設定し、「Add Option」を押します。
・Option:OEM
・Port:1158 (デフォルト)
・Security Groups:今回は既に作成済みのセキュリティグループを選択しています。
・Apply Immediately:Yes
(今回は検証環境のため即時適用とします。これによりメンテナンスウィンドウの時間設定に影響を受けず、速やかに変更要求が適用されます。チェックを入れない場合、次のメンテナンスウィンドウまで変更要求が保留となります。)
図6:Add Option設定画面
(5)OEMオプション追加確認
Option Groupに追加したOEMオプションが「Options」欄に表示されていることを確認します。

② RDSインスタンスのOptionGroup変更
OEMで接続するために、db.m1.small以上で起動したRDSインスタンスのOptionGroupを変更します。
(1)RDSインスタンスの変更AWSマネージメントコンソール > RDS > 左ペインのナビゲーションリンク > Instances
対象インスタンスを選択
> Instance Actions > Modify

(2)Modify DB Instance 画面
Database Options欄の Option Groupで作成したオプショングループを選択します。
Maintenance欄で 「Apply Immediately」 にチェックを入れます。
(今回は検証環境のため即時適用とします。これによりメンテナンスウィンドウの時間設定に影響を受けず、速やかに変更要求が適用されます。チェックを入れない場合、次のメンテナンスウィンドウまで変更要求が保留となります。)
「Continue」ボタンを押します。
図9:Modify DB Instance 画面
(3)Modify DB Instance 確認画面
「Option Group」と「Apply Immediately」に設定値が入っていることを確認し、「Modify DB Instance」を押します。
図10:Modify DB Instance 確認画面
(4)変更実行確認
Instances画面にて「Option Groups」欄に「pending-apply」と表示されています。
更新ボタンを押すと、ステータスが「applying」に変化します。DB Instanceのステータスは「modifying」となっており、変更要求が実行されていることが確認できます。

図12:変更実行確認(applying)

(5) 変更完了確認
Statusが「available」となっており、Option Group(s)に変更したOptionGroupが表示されていることが確認できます。
図13:変更完了確認
③接続確認
OEMでRDSインスタンスに接続できることを確認します。
(1) RDSインスタンスへの接続確認エンドポイントへの接続確認のため、SQL*Plusで接続できることを確認します。

(2)ブラウザでの接続確認
ブラウザのURL欄に以下を入力します。(ポート番号は1158になります。)
https://<エンドポイント>:1158/em
例 https://emdb.<文字列>.ap-northeast-1.rds.amazonaws.com:1158/em
下記画面が表示されたら「このまま続行」をクリックします。 図15:ブラウザでの接続確認

(3)OEMログイン
以下の画面が表示されたら、ユーザ名、パスワードを入力し、接続モードは「Normal」で「ログイン」ボタンを押します。(SYSDBA権限ではログインできません。)
図16:OEMログイン
(4)OEM管理コンソール
無事にOEMにログインすることができました。
図17:OEM管理コンソール
以上で、OEM Database Control への接続確認が完了となります。
SYSDBAでの接続ができない点以外は、オンプレミスの環境と大差ない印象でした。
OEMを使用したRDS接続設定は、大変シンプルであることが確認できたと思います。OptionGroupsの設定を追加し、RDSインスタンスのOptionGroupを設定変更をすることで接続可能になりますので、オンプレミス環境でOEMを使用されていた方も、移行後などのRDS環境を運用する際には参考にしてみてはいかがでしょうか。